17歳男子高校生のゲイの発展場体験記
一文無しだった。
俺の家庭は複雑で、家にいるのが嫌になった。
だから飛び出した。もう家には帰らないと決めた。
だけど、俺には金がなかった。
高校の友人の家に泊まることも気が引けた。俺がしたいのは家出じゃない。独立だから。
金もないくせに独立とか笑える話だけど。
だから、男に拾ってもらおうと思った。男なら女より金もあるだろうし。
そう思って新宿二丁目にきた。
ネットで『ゲイ 出会い』と検索して調べて、この街がどういう存在かは理解してたから。
ゲイバーやウリ専で働こうと思った。寮に入ればいいし。年なんて、適当にごまかせばいい。
そんな人たくさんいるだろうし、この業界ならば。
そう思ったのに、いざ面接を受けに行こうとしたら躊躇してしまった。
急にすごく、気持ちが揺れた。取り返しのつかない場所にいこうとしているかのような気がしたから。
ちょっと気持ちを落ち着かせようと思って、二丁目の中にある公園のベンチに座った。
でも、あとで彼女から教えてもらい知ることになるのだが、ここはゲイの発展場だったのだ。
俺の隣に、男が座ってきた。そして股間を触られたのだ。ゲイだ。とすぐにわかった。
彼は俺に目を合わえて、ほほえんだ。股間を撫でる手は、ズボンのチャックに向かっていた。
俺は慌てて立ち上がって公園を出て、思わず道端にうずくまった。
でも、これが彼女との出会いのきっかけだった。
出会いってわからないものだ。俺が公園に行かなければ、彼女との出会いはなかった。
「ねえ、君、高校生でしょ?」
綺麗な声の人だと思った。優しくて、耳に心地よくて。
俺は顔をあげた。